ボードの左右の体重移動
トリムとは、“ブレイクしていく波とともに移動するために、ボードをコントロールしていくこと”です。このボード・コントロールとは、ボードを前後左右に体重移動することをいいます。
そして体重移動をマスターするには、実はボードの上に立つ時の姿勢が、鍵を握っているのです。
それでは具体的に、体重移動の方法を説明していきます。
例えばフロント・サイドで滑っている波に、ボードのレールを入れる時のことを考えてみます。レールを波に入れるためには、ボードをつま先側に傾けなければいけません。しかし、傾ける時の姿勢で、お尻が引けてしまって、上体をおおい被せるようにしてしまう間違った傾け方の人が多いようです。これでは折れ曲がった腰から力が抜けてしまい、上手くボードに体重が伝わりません。その結果
、板の傾きが小さく、レールも深く入りにくくなります。
ポイントは、カカトとお尻と首の後ろの部分の3カ所を一直線にするように心がけることです。要領としては、背筋を伸ばして腰を前に出すのです。そしてヒザを曲げて腰を落としていく。この時、全体重はふとももで支える感じです。ふとももを緊張させて体重を乗せつつ、ヒザを落としていけば、つま先側に効率よく力が伝わり、ボードが傾きます。そして波にレールが入っていきます。
反対にレールをはずす時は、上体の姿勢はそのままにヒザだけを伸ばしてあげる。ふとももで体重を持ち上げる感じです。するとつま先に伝わっていた力は足裏全体に分散され、そして今度はカカト側に力が入ります。そしてレールは波からリリースされるわけです。
ロングボーディングは、すべてこのふとももに力を入れて下半身でしっかりバランスを取る体勢で行います。不安定な波の上で、ボードに乗りながらバランスを取るには、この基本姿勢ができていなければいけません。
そしてこの体勢で行うヒザの屈伸運動こそが、波にレールを入れたりはずしたりするレール・ワークの第1歩です。
“リラックス”は上半身だけ
トリムに限らず、ロングボーディングの基本姿勢を もう一度、再確認。
そしてトリムをスムーズに 行うコツは、下半身の緊張にあった。
トリムをマスターしていれば、
例えパイプラインのようなパワーのあるチューブでも 恐れずに入っていけるという。
その秘訣は、「ノーズを下に向けつづけること」。 トリミング・アット・パイプライン
ボードの前後の体重移動
実際には、波の斜面を滑っていてレール・ワークをする場合、ボードの前後への体重移動も必要になってきます。例えば、ボードの後ろに体重を乗せればテールが沈みノーズが上がります。それによって水の抵抗をボトムに受け、スピードは減速します。これがストールと呼ばれるもので、フロント・サイドで波に乗ってる場合、つま先側のテールが入ります。
そして反対に前に進んでいきたい時、今度はボードの前方に体重をかけていきます。そうすると、ボードが波の面
と平行になっていき、波に入っていたレールがはずれるので、抵抗が少なくなりスピードが増します。
この前後のスピード・コントロールは、前足と後ろ足への体重の体重移動になるわけです。この時もふとももに体重を乗せるのがポイントになります。そのかわり今度は片方の足のふとももにだけです。
まず後ろ足への荷重では、間違っていけないのが体ごと後ろ足によっかかってしまわないことです。上体まで後ろに行ってしまうと、次に前足に重心を移したい時に上体がついていかないからです。上体は残しつつ後ろ足に加重する。要領は体を開くことです。体を開き、背筋を伸ばし、腰を前に出すのです。そうして後ろ足のヒザを曲げつつ、体重をふとももに落として行きます。そして前足に加重する時も、そのままの上体の体勢で前足に体重を移動していけばいいわけです。
これらの、ボードの左右の体重移動と、前後の体重移動のミックスが、レール・ワークのすべてです。そしてこれが、ロングボード・サーフィンの根本であり、トリムすることに前提になります。
例え小さい波でも、トリムによってボードにスピードがつくという例。1では太股を緊張させ、ヒザを落としこむことでつま先に力を伝え、波側のレールを入れている 2今度はヒザをそのまま伸ばすことによってボードの傾きをなくしレールをはずしている 3レールをはずすことでボードにスピードがつき、フェイスを降り、再びヒザを落としてレールを入れる体勢に入る
両足のレール・ワークでトリミング
その位置に立つことで、ボード自体が最もスピードを出せるポイント“ボードのトリム・スポット”まで移動してきたら、この時点で、ボードは波のフックにすでにセットされている状態。あとは変化する波のスピード、ブレイクのしかたに合わせて、前後左右の細かい体重移動によるレール・ワークを行えばいい。基本的にはボードを波の進行方向と一緒の、斜め前方の陸側(この写
真では前足のカカト側のレール)に体重を入れていくようにする
クロス・ステップでパワー・ゾーンへ
ボトム・ターンによって波に食い込ませたレールは、波の巻き上げによって、波の上方向に持ち上げられ始める。ステップしてボードの前に移動するのはこの瞬間で、前方に向かって瞬時に、しかもスムーズに体重移動を行うために、ボトム・ターンの時点から体は開いておく必要がある。そして前に進む方法としてクロス・ステップが有効だ。1歩進むに連れて徐々に陸側のレールに体重を移すようにする。結果
、ボードを波と同様の進行方向に進めることができる
ボトム・ターンでレールを入れる
ボトム・ターンはボードのレールを波に入れていくというトリムの始まり。まずは体を開き、腰を前に出して、そして後ろ足のふとももに体重を乗せつつ、ヒザを落としていく。そうすることによってボードのテール部分のレールは波に深く入っていく。下の写
真を見ればわかるとおり、決して上体は前方に被さっていない。体全体の体重を使った遠心力をつま先に伝えているのがわかる。そしてこういうターンがスムーズでリラックスした雰囲気をかもし出すのだ
レール・ワークで波のパワー・ゾーンをキープ
正しいトリムの姿勢をマスターしたら、今度はボトム・ターンからの一連の動きで
波のパワー・ゾーンにボードをセットすることにトライ
波の進行方向を理解する
トリムをなぜするのかというと、波のパワーをボードに受け、その波に乗って出すことが可能な、できる限り速いスピードをボードで出すためです。そしてトリムとは、ボードに波のパワーを受け続け、少しでも長く波を滑っていくためのレール・ワークなのです。それでは、どうしたら波と一緒にボードを長く滑られせていけるのでしょうか。それには、波とはどういうものかを知ることです。
波は前から見ると横にブレイクしていくように見えます。多くの人は、サーフィンとは波のフェイスを真横に進んでいくことと勘違いしがちです。だから横に進むためにはレールを入れて滑ればいいと考えるのです。
しかし、実際には波は岸方向にも進んでいます。つまり波は斜め前方にブレイクしているのです。
だから波と一緒にボードを進めていくためには、レールを入れたままではいけません。つまりレールを入れたままだと、波の巻き上げによってボードが上に持ち上げられ、ついには波の後ろ側まで運ばれてしまう。波に取り残されるのです。
波と一緒に斜め前方にボードを進めるためには、入れたレールを波の進む方向と同じ斜め前方に向けて、調整しなければいけないのです。
これが、前ページで説明したレール・ワークです。波のスピードに合わせ、レールを入れてストールしたり、レールをはずして加速したりするのです。
ここまで理解できたらもう少しです。今度は波のパワー・ゾーンであるフックに、どうやったらボードをセットすることができればいいかを知ればいいのです。
ボトム・ターンのコツも、前ページの基本姿勢と同様、フトモモを緊張させることが大切。腰が引けた体勢では、上体を元に戻すのが大変だし、力がボードに伝わらず、波にレールが十分に入らない
クロス・ステップのコツは1歩1歩の足の進め方。後ろ足はストリンガーに対して斜め前、前足はノーズ方向に向けたまま、これで歩いていく。この方が平行した足をクロスしていくよりも安定する
GOOD
トリム(前後左右の体重移動)が最もしやすいスタンス。後ろ足はストリンガーとほぼ垂直に、前足はノーズに向ける
NG
逆にトリムがしにくいスタンス。これではレールを入れるのもはずすのも両足一緒につま先やカカトに体重を乗せるしかない
How
to Trim
In order to achieve effective trimming,
a surfer be able to control
the surfboard so that it stays in the most powerful section of the wave. How
exactly dose a surfer do that? Takuji Masuda, a longboarder who surfs Pipeline
every winter gave us some advice.


ボードをフックにセットする
ここまでは、波のフェイスにレールが入っていることを前提にして話しました。それでは、その前の段階、どうやってボードを波のフックにセットするかです。
まず、テイク・オフからフロント・サイドの波にボトム・ターンをするとします。実は、トリムはもうこのボトム・ターンから始まります。つまり波にボトム・ターンは、レールを食い込ませていくレール・ワークの一つなのです。
ボトム・ターンでレールを波に食い込ませるポイントは、後ろ足荷重です。しかもこれは全ページで話したように、開いた上体を残しつつ、後ろ足の太股に体重をかけるように加重します。ボトム・ターンも一種のストールというわけです。
この時の後ろ足への荷重の度合いは、波がブレイクしていくスピード、巻き上がる速さを見ながら決めます。レールを入れることによって自分のボードがどれほどの巻き上げられ方をするか予測するのです。エッジの強いボードであれば波はしっかりとボードを持ち上げていきますし、エッジのすくないレールであればズレながらルースに持ち上がっていく。その場合は深めにレールを入れていくことになります。
とにかく、ボードのテール部分のレール、そしてフィンが波に食い込み、食い込んだ部分が波の巻き上げによって、波の上へと持ち上げられていきます。
この時がボードを波にロックさせる瞬間です。テールが持ち上げられたと同時にボードの前方にステップで移動するのです。そしてこのステップでボードの前方に立つと同時に、レールをはずそうと波の進む前方下に向けて荷重をします。するとボードの前半分は波を滑り降りようとしますが、ボードの後ろ半分はそのまま持ち上げられようとする。この状態になるとボードの前と後ろにねじれが生じて、ブレイク近くの波の一番パワーのある所にボードが固定されるわけです。
これがフックにボードをセットしたとか、ボードが波にロックされたということです。テールは上に上に持ち上げられるフィーリングを感じながら、ノーズを下に下に落とす意識です。そして波のスピードの変化、波のブレイクの変化に合わせて、細かい重心移動をしながら、フックに居続けることがトリムなのです。
NALU
No.18/1999